カマキリ

新居に引っ越してきてすぐにバルコニーの網戸に
一匹のカマキリがやってきました。
12月もなかば。
ここはマンションの8階、飛んできたのでしょうか?
そのまま見守っていると3日たっても一向に動かず。
調べてみるとカマキリは成虫になってから2~4か月の寿命
らしく、年を越すことはあまりないそうで、
きっとこのまま死を待っているのではないかと思えました。
1歳になった娘がしきりにカマキリを触りたがるので、
「かるーくね、ちょんちょんって、いいこいいこしてあげて」
そう言うと小さな指でつんつんと触ってにこっと笑いました。
そして口を近付けてチュ。
その日から娘の食事の時間はカマキリも一緒に。
カマキリの食事のために虫を探すも、この冬空なかなか見つからず、
やっと見つけられたのは小さなアブやてんとう虫。
それでも器用に羽だけ残して食べる姿を娘も食べ物を
ほおばりながら真剣に見つめていました。
時には自分のごはんを「んっ んっ」とカマキリに差し出しながら。
そんな娘とカマキリの楽しい食事の時間も今日で終わりました。
年を越したカマキリはその瞬間まで自分のカマの手入れをしていました。
そしてきれいに左右対称のかたちのまま動かなくなりました。
実に潔い死にかたでした。
娘は知ってか知らずか、そんなカマキリに「バイバイ」と手をふっていました。
ありがとう。カマキリさん。
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